僕の頭ん中

30代の心理担当職員のブログ。LGBTのGです。日々思ったことを書いてます。

搾取的ビジネスを行うインフルエンサーからのマインドコントロールを解く方法

インターネットでは主に情報発信をする側とそれを受け答えする受信側に分かれているというコミュニケーションのあり方が一般的だと思います。そして、情報発信をする側にはその影響力の大きさの違いがあります。そして、特に影響力の大きい人を現代ではインフルエンサーといいますよね。

 

このインフルエンサーというビジネス、あえて極論を言えば、発信側が何らかの形で受信側から信頼心や時間や金銭を奪いとるビジネスであると私は思っています。

 

そしてなぜこんなことを問題提起するのかというとインフルエンサーの影響力にかかわらず、私自身が彼らのそのようなビジネスに陶酔した挙句、結局は裏切られたり騙されたと感じた経験をしてきたからです。

 

私がこれまで騙されたと感じたインフルエンサーは有名どころだと某マジシャンとかナントカ大学といったところなどです。彼らの有料のサービスにも入ったことがありますが、そのビジネスは程度の差こそあれ部分的に消費者を欺くような行為を行っていると感じました。

 

もう一つ私が良く陥りやすいパターンとしては私は限界オタクなので顔出しをしていない、絵がアイコンの人でもすぐ好きになってしまうというパターンです。この好きという感情、ポジティブなものに思いがちですが、実は相手からすでに洗脳を受けているというサインです。そのうち、高額なスパチャを送ったり、高いコンテンツを買わされたりするでしょう。

 

前置きが長くなりましたが、今回はこの私の血と涙がにじむような教訓をもとにどうすれば彼らの洗脳から逃れて主体的に情報選択を行っていくのかということについて考えます。

 

搾取的ビジネスを行うインフルエンサーの特徴

搾取的ビジネスを行うインフルエンサーの特徴は以下の通り。

  • 歪んだ自己愛を持っている
  • 歪んだ自己愛を補強する存在を探している
  • 相手の心の弱みに付け込む
  • 相手からの信頼を自分の利益のためだけに利用する

 

搾取的なビジネスを行うインフルエンサーはゆがんだ自己愛を持っている可能性が高いです。しかし、弱みや欠点がない人間というのはないので彼らは巧みに自分の弱みや欠点についてはひた隠しにしながら情報発信を行います。彼らはYouTubeやインスタやXでキラキラとした私生活やそのセンスの良さを披歴します。しかし、絶対に彼ら自身の弱みについては発信しません。彼の歪んだ自己愛を補強する上において自分の弱みを話すということはそれは不利に働くことはあっても得をすることはないからです。そういう意味で自分の弱みや欠点について開示しようとしない人は相手と有機的な人間関係を築くつもりがない人なので気を付けたほうが良いと思います。

 

彼らは自分が定義する自己を補強する人だけを探しています。例えば他人がうらやむような生活をしている自分、社会的に評価が高い仕事に就く自分、センスのいい音楽を聴いている自分などをほめそやしてくれる人などです。

 

彼らは人間関係に倦み疲れている人、人よりみじめな生活を送っていると思っている人、幼少期に家族から愛されているという実感を持てなかった人など様々な心の弱みを持つ人の心に巧みに甘い言葉をかけて彼らをだまします。こんな完璧で完全な自分を信じればあなたも私のようになれるよ。と(あるいは疑似的な恋愛関係を再現します)。そして巧みに自分のビジネスに誘導するわけです。

 

しかし、彼らのビジネスは彼ら自身がひそかに憎んでいる自分を無視して作り上げた自己像に基づくビジネスですから、結局どこかボロが出てきます。他人が行うビジネスを批判するつもりはないですが、もしあるインフルエンサーが自分の誤った自己像を発信することで他人から関心やお金を巻き上げていると思うなら、一度その自己欺瞞について思いをはせてみるべきだと思います。

 

搾取的ビジネスを行うインフルエンサーに騙されやすい人の特徴

  • 優柔不断で他人に依存的である
  • 子供の頃に人格を否定されるような経験をしている
  • 主体的に情報を得ることに行わない

自分はマインドコントロールなんて受けていないと思う人もいるかと思います。しかし、あらゆるビジネスは騙し騙されあいのようなもので知らないうちにもうすでに騙されていると思った方がいいでしょう。それがあまりピンとこないのであれば家電量販店にでも行けば分かります。今どきネットで調べれば店頭より安く良いスペックのものが買えますが、店頭に行けば店員さんが手取り足取り教えてくれてどれを購入すべきか教えてくれます。ただ、店員さんが絶対に言わないことといえば他店とかネットで買ったほうが安くていい商品が買えるよということであり、その情報は絶対に自社の不利に働くので教えてくれません。

 

もちろん実物をみたいというニーズもあると思いますが、基本的に店頭に足を運んだ時点である程度消費者としてイニシアチブをとって商品を選ぶことを放棄してるとも言えます。

 

このようにビジネスというのはある程度騙し騙されるという関係にあるという前提で騙されやすい人というのは自分のイニシアチブを放棄して他人に選択してもらおうという傾向が強い人です。

 

これはおそらく幼少期からそのように自分の権利を手放すことで、その場をうまくやり過ごしたという経験をした人が多いはずです。自分では決められないので専門家の言うことや占い師の言うことを鵜呑みにします。このように自分の人生を主体的に選択することから逃れることはある意味、自分自身で選んだという責任を放棄することができ、結果的に相手に無理に選ばされた、騙されたと言い逃れをすることが可能になります。

 

そこに相手に縋りつきたい、騙されていたいというひそかな欲求があるわけです。

 

この両者のニーズがかみ合ってインフルエンサーのビジネスも存在しています。ただ、騙したい・騙されたいという関係においては基本的に騙す側が有利になります。

 

搾取的ビジネスを行うインフルエンサーの手口

このような搾取的ビジネスは心理学における条件付けで説明することができます。インターネットやSNSは基本的にこのような条件付けで成り立っています。具体的にはオペラント条件付けと間歇強化です。

 

オペラント条件付けは例えばSNSをフォローすることで届く通知がなどがそれにあたります。通知というのは本来何の通知であるか実際に確認するまではわからないですが、すでにその相手のコンテンツを待ちわびている状態ならもうすでに相手の術中に落ちています。

 

間歇強化は相手にご褒美をあげたりあげなかったりすることで相手を操作する方法です。たまにいいねをしたり、コメントをつけることで相手はこの発言はよかったとかよくなかったとかを学習していきます。反応がないと不安になります。だからもっと相手の喜ぶことは何かと推測して結局高い支払いを要求されます。

 

もう一つ。相手をマインドコントロールするコツとしては相手をほかの情報源から隔離しつつ、一方的に自身が発信する圧倒的な量の情報のみを浴びせ続けるという方法があります。このような状況になると情報の受け手は情報が正しいのかどうかということを検討しなくなり、盲目的にその情報を受け入れるようになります。

 

搾取的ビジネスを行うインフルエンサーからの洗脳を解く方法

ここまで長かったですが、やっとこのようなマインドコントロールを行ってくる相手からの洗脳を解いて、うまく距離をとったり、完全に離れるか説明していきます。

 

マインドコントロールを解く方法としては以下のものがあります。

 

 

自分が陥りやすいマインドコントロールのパターンを理解しておくことは重要です。私がこれまで陥ったマインドコントロールについては前述したとおりですが、このようなパターンで洗脳に陥ることがあると理解しているだけでまた同じパターンに陥っていないかということがわかるようになります。

 

個人的な話をすると、実は私は懲りずに最近またうっかりフォローしてしまって、顔出ししていない人のコンテンツに夢中になっていました。しかし、同時にその人がSNSで発信する虚栄心に満ちた投稿を目にするたびに本当に心からうんざりさせられていました。一対他というメディアを使うとどうしてもこのように自分を盛ったものになるのは仕方ないとは思いますが。では、どうやってその人からの洗脳を解いたかというと、その人が発信する情報源以外からその人について徹底的に調べ上げました。その人は実はある情報を徹底的にひた隠しにしていることがわかりました。自分のビジネスに他人を誘導する上で絶対にばれてはいけない事柄です。それを調べ上げたことで自分が何にそんなに不快感を感じていたのかもわかりました。

 

次にすべきことといえばコンテンツをミュートしたり、ブロックをしたりすることです。相手を隔離して一方的に情報を浴びせ続けるというのがマインドコントロールの手法ですから、これは非常に有効な手段になります。そんなことをすると自分が意義あると感じる人間関係から絶たれたような気がして絶望的な気分になるかもしれませんが、全然そんなことはありません。情報発信を行う人は今時あちこちにいますし、よりマシなビジネスをしている人たちがいるはずです。推してほしいと思っている人たちもいくらでもいます。もしそのインフルエンサーがすごく嫌な思いをあなたにさせるならさっさと別の人に乗り換えてしまいましょう。

 

いかに気持ちよく騙されるかが重要

先にも触れましたが結局はビジネス上の取引というものがある以上はお互いに騙し騙されということが絶対に起こります。そしてそこに金銭的な取引がなかったとしても、多くの人から耳目を集める人とその取り巻きという形でSNS上では機能していきます。自分にないものを補ってほしいと思う人がいるから、ネット上に承認欲求モンスターがはびこるわけです。

 

ですから相手を逆恨みする前にサービスの受け手としては以下のことを認識する必要があると思います。

 

  • 自分自身の依存的な弱さゆえに相手に騙されてしまったこと
  • 騙されることを望んだのは私だったということ

 

そして自分自身に依存的な気持ちがあることを認めていかに騙されたとしても気持ちよく騙されるかということが大事になってくると思います。

 

依存的でない人、弱さのない人というのもまたこの世界に存在しないからです。

 

なんだか人狼ゲームのようですが、これがネット上で起こっていることなのではないかと思います。

 

とりあえず私は定期的にミュートしたり、ブロックしたりして自分の意志で情報源を選択していこうと思います。